教育訓練給付金制度について

1:教育訓練給付金とは

 教育訓練給付金とは、働いている人および離職して間もない人が、個々のスキルアップを目的として指定の教育訓練を受けたときに、 その受講料の一部が政府から支給される制度です。

 対象となる指定講座一覧は ⇒ こちらです。

---なぜ雇用保険なの?---
 雇用保険は、俗に失業保険とも呼ばれるように、失業者に対して保護をするのが目的です。 しかし、この給付によって教育訓練を促進し、個々がスキルアップするということは、 “解雇されにくくする”という間接的な失業対策につながります。 なので、教育訓練給付金制度は、雇用保険の中でも珍しく在職中の人も対象になります。
 失業しない人にとっては雇用保険は払い捨てみたいなものですので、是非この制度を利用してください。
ちなみに、年収がおよそ550万円以下の人なら、賢く使えば払った保険料の元が取れる(第3項参照) ありがたい制度です。使わないと損かも知れませんね。


2:給付対象者

給付の対象者は、以下のとおりです。

@雇用保険の一般被保険者
受講開始日(開講日)に、雇用保険の支給要件期間が3年以上(初回に限り1年以上)必要です。

A雇用保険の一般被保険者であった人(離職者)
受講開始日が離職日の翌日から1年以内で、かつ雇用保険の支給要件期間が3年以上の人が条件です。

※支給要件期間とは

 支給要件期間とは、受講開始日までに同一事業主の適用事業に雇用された期間をいいます。
また、以前適用事業にて雇用されていた場合、空白期間が1年以内の場合はその期間も通算します。

 つまり、現在の会社で3年間働いていなくても、空白期間が1年以内だったら前の会社の期間も含まれますので、
スムーズに転職している方は対象になるかもしれません。以下の図を参考にしてください。

〜 支給要件期間を満たすか満たさないか微妙な場合 〜
 ちょうど3年くらいで、支給されるかどうか不安な場合、ハローワークに照会できます。
ハローワークに出向き、備え付けの教育訓練給付金支給要件照会票に必要事項を記入し提出します。 講座名が未定の場合は、その旨を受付の人に申し出てください。 他に、身分証明書と印鑑と雇用保険被保険者証のコピーが要ります。じばらくすると結果が分かります。


3:給付額

1)支給要件期間が3年以上の者
10万円を上限とし、教育訓練経費の20%が支給されます。
 ※ただし、8000円を超えない場合は支給されません。要は4万円以下の講座は非対象となります。

2)支給要件期間が1年以上3年未満の者
初回1回に限り、上記1)と同じ、すなわち10万円を上限とし、教育訓練経費の20%が支給されます。
 ※ただし、8000円を超えない場合は支給されません。要は4万円以下の講座は非対象となります。

 50万円以上の講座でしたら、満額の10万円もらえる計算です。 年収550万円の人が3年間で払う雇用保険料が単純計算で9.9万円(平成19年現在)ですので、 それ以下の年収の人なら賢く使えば元が取れる給付です。

---教育訓練経費とは?---
簡単に言うと、入学金と受講料の合計です。以下のものは含まれません。
 ・各種割引制度による割引分・・・今なら入学金無料!とか、受講料20%OFF!等。
 ・現金の返還が予定されている額分・・・合格したら10000円キャッシュバック!で、実際合格した場合等。
 ・会社が負担した入学金や受講料・・・会社が援助した分は、支給対象とはなりません。
 ・給付金申請の時点で、未だ未納の場合
 ・1年を超える講座の場合、1年を超える分の受講料・・・対象となる受講料は、最大1年分です。
 ・本試験に関わる費用・・・例えばTOEIC対策講座の場合、TOEIC本試験の費用は支給されません。
 ・追加的な補助教材費・・・例えばTOEIC対策講座の場合、オプションでCDを購入する費用。
 ・パソコン等機材の費用・・・例えばTOEIC対策講座の場合、辞書なんかもそうですね。
 ・通学費
 ・ローンを利用した場合の手数料


4:申請のまえに

 給付金の申請は講座終了後ですが、講座を申し込む前にまず以下の確認をしてください。

受講開始日はいつか・・・受講開始日において、支給要件期間等の諸条件を充たしているかは要確認。
・本当に厚生労働大臣の指定した講座か・・・同じ講座でも、開講日によって指定されていなかったりします。
終了認定基準はどうか・・・出席率や、テストの成績によっては給付金がもらえません。

 以上が大丈夫である場合、講座を申し込みます。その際は、入学金や受講料は速やかに払ってください。
少なくとも申請までに払っておかないと、給付金が出ません。なお、領収書は申請の際に必要ですので、大事に保管しておいて下さい。

 そして、講座が始まったら、出席表がある場合は必ず持参し、欠席はなるべくしないようにし、 テストは必ず良い成績を修めるように努力してください。

 そして、講座が終わったら、教育訓練給付金支給申請書と教育訓練修了証明書を学校でもらってください。
出席率やテストの成績次第では教育訓練修了証明書が発行されませんが、 「教え方が悪い!」とか「テストが難しすぎる!」とか学校側に抗議しても、どうしようもないです。


5:申請方法

 申請は、受講修了後1ヶ月以内に、本人の住所を管轄するハローワークで行います。 学校や職場を管轄するハローワークではありません。最寄でも市町村が違うと管轄していない場合がありますので注意してください。

 申請の際は、以下の書類が必要になります。

1)教育訓練給付金支給申請書・・・講座終了時に学校が発行してくれます。
2)教育訓練修了証明書・・・講座終了時に学校が発行してくれます。
3)領収書・・・入学金および受講料支払い時に学校が発行してくれます。
4)返還金明細書・・・受講料支払い後に現金が返還された場合、学校が発行してくれます。
5)本人・住所確認書類・・・6)の、雇用保険被保険者証があれば大丈夫です。
 ※それ以外に、運転免許証、住民票の写し、印鑑証明書原本でもOKです。
6)雇用保険被保険者証(在職者の場合、コピー可)or 雇用保険受給資格者証(離職者の場合)
7)教育訓練給付対象期間延長通知書・・・通常要りません
 ※出産や長期の傷病によって適用対象期間の延長をしていた場合に必要です。


6:教育訓練給付金が支給された場合の、支給要件期間リセット

 教育訓練給付金が支給された場合、受講開始日より前の期間は支給要件期間ではなくなり、 受講開始日以降が新たな支給要件期間となります。 つまり、再び3年経たないと次の教育訓練給付金が受けられません。

 ここで注意していただきたいのは、給付金の支給を受けた時に支給要件期間がリセットされるわけではありません。 受講開始日にリセットになります。

 3年に1回、計画的にスキルアップするのも良いかも知れませんね。


7:平成15年4月以前、教育訓練給付金を受けた方へ

 平成15年4月以前は、支給要件期間が5年以上で、上限が30万円、給付率は80%でした。 しかし、前述のとおり、今は制度が大幅に変わっています。

 もともと雇用保険は、失業対策です。 しかし、支給要件期間が5年もあるような人というのは、失業し易い人というよりむしろ、失業に縁のない人が多いです。 そして、失業に縁のない人が給付金をがっぽりともらって教育を受けることは、よけいに弱者と強者のスキルの差を生み、 真の意味での失業対策になりません。

そんなことから、支給要件期間が5年から3年になり、初回に限っては1年もOKとなりました。しかし、これでは対象者が多くなり、 政府が赤字で破産してしまいます。よって、給付額も大幅に下がってしまいました。


8:不正受給は厳禁です

 例えば、会社からお金を出してもらったのに、こっそり給付金を受けるのは不正受給になります。
3項で前述したとおり会社負担分は対象になりませんが、知ってても知らなくてもNGです。

 法律や社則のスキを利用して、「こうすれば儲かるな」という安易な裏技は、横領や詐欺です。正しく利用しましょう。