介護休業給付金について

1:介護休業給付とは

 要介護状態になった家族1人に対し、最大93日間分の介護休業が取得でき、 休業期間、休業前の賃金の4割相当の額が支払われます。

---なぜ雇用保険なの?---
 ところで雇用保険は俗称『失業保険』と呼ばれる通り、多くの保険対象は失業です。 よって、介護休業給付も雇用保険の『失業等給付』制度の一環として位置付けられています。
 背景としては、介護を理由に退職する人が多く、給付金を支給することで当該を理由とした退職を防止する目的があります。


2:介護休業の対象となる家族

配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)
父母(養父母を含む。)
(養子を含む。)
配偶者の父母(養父母を含む。)
・ 被保険者が同居しかつ扶養している祖父母
・ 被保険者が同居しかつ扶養している兄弟姉妹
・ 被保険者が同居しかつ扶養している

以上に記した家族であり、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護 を必要とする状態にある者が対象となります。

 常時介護とは、歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与することを言います。


3:介護休業給付を受けるための、休前の勤務要件

 介護休業給付は、労使協定がある場合、会社に1年以上勤めていなければ介護休業が取得できないことがあります。 その場合は対象は勤続1年以上の社員となりますので、会社の担当者に確認する必要があります。
 加えて雇用保険法により、休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ないと支給されません。


4:介護休業給付を受けるための、休業中の勤務要件

 介護休業を開始した日から1ヶ月ごとに区切った期間を支給単位期間と言いますが、各支給単位期間ごとに実際休んだ日が20日以上なければなりません。


5:介護休業給付を受けるための給与要件

 介護休業給付を受ける条件としては、休業期間中、休業開始前賃金の8割以上をもらっていないこととなっています。 介護休業期間中は無給の特別休暇扱いになる会社に関しましては、これは自動的にクリアできます。 会社規則等で、介護休業中の給与の扱いを確認しておいて下さい。


6:支給額を決定する“休業前賃金”の計算方法

 支給額の基本となる、休業前の賃金の計算の仕方を説明します。

 休業前賃金は、まず『賃金日額』を算出してから『賃金月額』を計算します。

 『賃金日額』は、休業前6ヶ月間の賃金を180で除したものです。180の数字は、1ヶ月を30日とし、6を掛けたものです。

 『賃金月額』は、賃金日額を30で掛けたものです。ただし、この賃金月額には上限と下限があり、上限が426,000円(平成19年8月現在)、 下限が62,400円(平成19年8月現在)となっています。


7:支給額の決定方法

 基本的な計算式は、以下の通りになります。

 介護休業給付金
  {(支給単位期間の総数−1)×賃金月額+最後の支給単位期間の日数×賃金日額}×40/100


8:申請手続き方法

 法的には、少なくとも介護休業開始日の2週間前までに、会社に対して介護休業の申出をしなければなりません。 2週間を超えてしまうと、介護休業開始日が超えた分繰り下げられてしまいます。

 なお、申出の際は介護対象となる家族の住民票記載事項証明書(ハローワーク提出用)の添付が必要になります。


9:支給の方法

 実際に介護休業が開始した後、休業申出の際に指定した金融機関の口座(特に指定がない場合は給与振込みと同じ口座、ただし郵便局は不可)に、 『介護休業給付金』が振り込まれます。


補足:育児休業との違いまとめ

 育児休業と介護休業はよく似ています。しかし、一部の取り扱いには若干の差がありますので、混同しないように差の部分をまとめました。

1)『育児休業給付』は最大1年6ヶ月、『介護休業給付』では、最大93日の支給期間となります。

 ・・・とても大きな差ですね。介護期間は場合によっては何十年とかかる場合もあるのに、なんとも少ないです。

 実は、育児休業の期間根拠が“実際育児に要する期間”であるのに対し、 介護休業の期間根拠は“将来にわたり継続的な介護ができるよう準備する期間”となります。 要するに、約3ヶ月間で介護する体勢を作りなさい、ということです。 例えば、介護が必要となった親と同居するため引っ越す、介護施設を探す、介護業者と手続きをする、 在宅介護のためバリアフリーに改築する・・・といった期間が介護休業の休業期間として想定されています。

2)『育児休業給付』は3割+2割の分割支給、『介護休業給付』では4割の一括支給。

 ・・・本当は寿退社したかったのだが、給付金をもらうために育児休業をし、 休業期間が終わったら即退職するという雇用保険の意に反した労働者が多く、育児休業給付は職場復帰後6ヶ月経たないと残りの2割が支給されない制度になりました。 一方介護休業はそのようなことはあまりないのでしょうね。

3)『育児休業』は1ヶ月前申出、『介護休業』では2週間前申出。

 ・・・育児に関しては、育児休業が必要かどうかは事前ある程度予測が付くので1ヶ月、 介護は“急に家族が要介護状態になる”ことを想定し、2週間となっています。ただし、いずれも決定次第なるべく早めに申し出て下さい。

4)『育児休業』は夫婦のダブル取得はNG、『介護休業』ではOK(労使協定がある場合)。

 労使協定がある場合、配偶者の一方が育児休業を取得したり、働いていなくて育児が出来る状態であれば、 もう一方は育児休業できない場合があります。しかし、介護休業に関してはそのような労使協定は存在できません。

 理由ですが、1歳までの子供は小さいので、1人での育児は十分可能と考えられています。 しかし、大人の介護となると、世話をするのにも2人がかりでないと無理なケースも考えられます。

 特に夫婦揃って育児休暇を取得しようとする場合は、そのような労使協定が存在しないかどうか確認してみてください。