育児休業給付金について

1:育児休業給付とは

 1歳に達するまでの子供(一定条件にて1歳6ヶ月までの子供)を育児する場合、育児休業が取得でき、 休業期間、休業前の賃金の5割相当の額(後述の2つの給付の合計)が支払われます。

---なぜ雇用保険なの?---
 ところで雇用保険は俗称『失業保険』と呼ばれる通り、多くの保険対象は失業です。 よって、育児休業給付も雇用保険の『失業等給付』制度の一環として位置付けられています。
 背景としては、育児を理由に退職する人が多く、給付金を支給することで当該を理由とした退職を防止する目的があります。 健康保険に『出産手当金』という産前産後休業中に発生する給付がありますが、 あちらは退職防止目的ではありませんので、退職しても一定の条件で支払われます。似ているようで目的は全く違うのですね。


2:育児休業給付は、2種類の給付金から成ります

 育児休業給付は、『育児休業基本給付金』と『育児休業者職場復帰給付金』の2つから成ります。

 『育児休業基本給付金』は、育児休業期間中休暇前の賃金の3割が支払われます。

 『育児休業者職場復帰給付金』は、育児休業から職場に復帰し、6ヶ月を経過した時点で育児休業期間中休暇前の賃金の2割が支払われます。 つまり、きちんと職場復帰しないともらえない給付金です。

 ちなみに女性の場合、産後8週間までの期間は育児休業期間にならず、前述の健康保険による『出産手当金』がもらえます。


3:育児休業給付を受けるための、休前の勤務要件

 育児休業給付は、労使協定がある場合、1年以上勤めていなければ育児休業が取得できないことがあります。 その場合は、対象は勤続1年以上の社員です。勤務条件があるかどうかは、会社の担当者に問い合わせてみたほうがよいですね。
 加えて、雇用保険法により、休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ないと支給されません。


4:育児休業給付を受けるための、休業中の勤務要件

 育児休業を開始した日から1ヶ月ごとに区切った期間を支給単位期間と言いますが、各支給単位期間ごとに実際休んだ日が20日以上なければなりません。 ただし、育児休業期間中に出勤命令を出すことは、通常の会社では実際あまりないと思いますので、通常の場合はクリアできます


5:育児休業給付を受けるための給与要件

 育児休業給付を受ける条件としては、休業期間中、休業開始前賃金の8割以上をもらっていないこととなっています。 育児休業期間中は無給の特別休暇扱いになる会社に関しては、これは自動的にクリアできます。 会社規則で、育児休業期間の給与を確認してみましょう。


6:支給額を決定する“休業前賃金”の計算方法

 支給額の基本となる、休業前の賃金の計算の仕方を説明します。

 休業前賃金は、まず『賃金日額』を算出してから『賃金月額』を計算します。

 『賃金日額』は、休業前6ヶ月間の賃金を180で除したものです。180の数字は、1ヶ月を30日とし、6を掛けたものです。

 『賃金月額』は、賃金日額を30で掛けたものです。ただし、この賃金月額には上限と下限があり、上限が426,000円(平成19年8月現在)、 下限が62,400円(平成19年8月現在)となっています。


7:支給額の決定方法

 基本的な計算式は、以下の通りになります。

 育児休業基本給付金
  {(支給単位期間の総数−1)×賃金月額+最後の支給単位期間の日数×賃金日額}×30/100

 育児休業者職場復帰給付金
  {(支給単位期間の総数−1)×賃金月額+最後の支給単位期間の日数×賃金日額}×20/100


8:申請手続き方法

 法的には、少なくとも育児休業開始日の1ヶ月前までに、会社に対して育児休業の申出をしなければなりません。 1ヶ月を超えてしまうと、育児休業開始日が超えた分繰り下げられてしまいます。

 なお、女性が実子を出産し育児する場合は、育児休業の前に産前産後休業がありますので、 産前産後休業も含め、会社と相談することになります。

 なお、申出の際、育児休業申出書と、母子健康手帳のコピーが必要となります。 妊娠が判明したら、各自治体より母子健康手帳の交付を受けてください。


9:支給の決定

 育児休業が実際に開始されてから10日以内に、会社のほうで受給資格確認手続きを行なうことになります。

 そして、無事に支給が決定されたら『育児休業給付受給資格確認通知書』が、 受給要件が足らずに支給が却下されたら『育児休業給付受給資格否認通知書』が本人の手元に届きます。


10:支給方法

 休業の申出の際に指定した金融機関の口座(特に指定がない場合は給与振込みと同じ口座、ただし郵便局は不可)に、 支給が決定されてから1週間後に初回の『育児休業基本給付金』が振り込まれます。

 その後は、2ヶ月に1回『育児休業基本給付金』が振り込まれ、職場に復帰して6ヶ月経過した後、『育児休業者職場復帰給付金』が振り込まれます。


補足:介護休業給付との違い

 育児休業と介護休業はよく似ています。しかし、一部の取り扱いには若干の差がありますので、混同しないように差の部分をまとめたものを 介護休業の解説ページの一番下に用意しました。