平成19年10月雇用保険法の改正について

0:平成19年10月から、雇用保険法が改正されます

 平成19年10月より、雇用保険法が改正されます。大きく以下の3点が改正されます。

1)自己都合退職による基本手当ての支給要件期間を延長
2)育児休業者職場復帰給付金の引き上げ
3)教育訓練給付金の見直し


1:受給資格要件の変更

 これまで6ヶ月間働いていれば自己都合退職でも基本手当がもらえましたが、今後1年間働いていなければもらえなくなります。 これには、安易な自己都合退職を少なくする目的があります。 倒産、解雇、あるいはやむを得ない正当な事情での退職は、これまで通り6ヶ月働いていればもらえます。

 ただし、今までは1ヶ月のうち14日以上勤務日等がないと1ヶ月としてカウントされませんでしたが、 今後11日以上働いていれば1ヶ月としてカウントされます。これは自己都合でも会社都合でも同じです。

 以下の表に改正点をまとめておきました。 自己都合退職者については改悪改正ですが、短時間労働者や倒産解雇等退職者については改善改正となっています。 より立場の弱い労働者を救う社会保険の側面からも、意義のある改正ではないでしょうか。


2:育児休業給付の給付率の変更

 『育児休業者職場復帰給付金』が、従前では1割給付でしたが、今回の改正で2割給付となり、増額されます。 これにより、『育児休業基本給付金』と併せた育児休業給付全体としては4割給付から5割給付へと改善されます。

 この改定は、職場復帰することを条件に育児休業基本給付金をもらっておきながら職場復帰直後に寿退社する、 いわゆる“給付金のもらい逃げ”を減らす目的です。 「ご褒美をもっとあげるから、辞めずに働き続けてちょうだい!」という政府の意向が表れています。

 育児休業給付に関しては、こちらをご覧下さい。


3:教育訓練給付の要件・内容の変更

 従前は、教育訓練給付の受給要件が3年以上5年未満で20%給付(上限10万円)、5年以上あれば40%給付(上限20万円)でしたが、 今後は1年以上で20%給付(初回1回のみ)、3年以上20%給付になりました。給付率の高かった5年の受給要件は無くなります

 そもそも雇用保険の目的は失業対策であるので、 5年以上も勤められる有能な労働者に支給するのは趣旨から外れている、という理由です。 代わりに、初回のみ支給期間を1年とし、広く利用してもらおうということです。

 長期勤労者にとっては美味しい給付では無くなってしまいましたが、それでもおよそ年収550万円以下の人は、 賢く利用すれば保険料の元が取れる給付です(理由:単純計算で年収550万円の人が3年間に払う保険料は9万9千円、教育訓練給付の上限は10万円なので)。

 教育訓練給付に関しては、こちらをご覧下さい。